電気配線を束ねたり、パソコンの組み立てに使用する結束バンドは今では一般家庭でも広く普及しているアイテムです。長さ15cm・幅2mm程度のものが主流で、塩化ビニール製の安価な使い捨て商品となっているのが主なものでしょう。どの商品でも一度締めたらバンドが決して緩むことがないため、物を固定するのに最適な製品です。1960年に日本で開発されて以来、さまざまな工夫を凝らした新しい製品が登場しています。

1990年代後半には、建設現場で使用することに力点を置いた「インシュロック式」という結束バンドも登場しています。このインシュロック式の結束バンドの特徴は、バンドにバックルが備わっていてナットをねじると強く固定できる点です。この特徴があることからインシュロックという名称が付きました。鉄パイプ等の建材を固定するほか、足場の組み立て時にも用いられています。

インシュロック式と一般的な結束バンドの違いは、使い捨てか否かという2点です。インシュロック式は高品質な形状記憶のステンレス製となってるため、一度使用しても再び用いることが可能です。しかもバンドの裏面には凹凸が備わっているものの、バックルを緩めることで噛み合わせも緩まるので何度でも使い回せるというわけです。結束バンドの最大の特徴である凹凸を備えつつ、何度でも繰り返し使えるように改良された新たなバンドであり、今後も幅広い現場で用いられていくことでしょう。

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